Interview

おにぎりと角打ち酒屋

MY Eats&Drinks

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「人と人の橋渡しになれたら」
おにぎりと角打ち酒屋のキッチン

2024.08.26up

    キッチンから生き方を見つめるインタビュー。
    おにぎりとナチュラルワインのお店
    MY Eats&Drinksの米田牧子さんに、
    食と水のこだわりを聞きました。

    食を通じて世田谷を楽しくしてきたい

    MY Eats&Drinks(以下MY)は、無農薬・無添加の食材で作ったおにぎりのテイクアウトを中心に、ナチュラルワインやクラフトビールの販売、お弁当のケータリングなどを行っているお店です。2022年に松陰神社でオープンした「kokiliko」の姉妹店として、より設備の充実したアトリエのような場所がほしいと思って物件探しを始めたのですが、まさかの世田谷公園の目の前というこの立地に一目惚れして即決。周りには既にサンドイッチやドーナツのお店はあったので、「じゃあ誰もやっていないおにぎりのお店にしよう!」と思いまして。この場所じゃなかったらおにぎり屋はやっていなかったかもしれませんね。以前は事務所として使われていた場所だったので、シンクやガスコンロなどキッチンまわりは手を加えましたが、空間全体の構造はそのまま生かして、壁は落ち着いたグリーンに、天井は圧迫感が出ないようにホワイトで明るく仕立てていただきました。

    お子さん連れのお客様が多いエリアということもあり、おにぎりは定番の「鮭ハラス」が人気です。いつもだいたい10種類くらいご用意しているのですが、今の時期は、塩茹での枝豆にきのこ4種を豆板醤でじっくり炒めた「枝豆きのこ醬」という夏季限定のおにぎりがおすすめです。おにぎりに使っているお米は、大粒であっさりした味わいの「雪若丸」という山形県産の特別栽培米。軍艦巻きを作る場合は昆布水でご飯を炊いたり、お稲荷さんを作る際には白米と玄米をブレンドしたりと、メニューによってアレンジしています。

    畑で採れたものでメニューを考える

    昔から人と関わる仕事には興味があったのと、食事を作ることと同じくらい音楽も好きだったので、会社員を辞め、初めはCDショップで働いていました。そこで音楽を通じておもしろい人たちとの出会いが増えていくうちに、「こうやって人と人の橋渡しになるような場所を作りたい、自分のお店を持ちたいな」と思うようになって、飲食の道に進むことにしたんです。当時料理に関しては全くの独学でした。

    そして実際にお店のキッチンに立つ中で、自然と「食材」に興味が向いていくうちに、業界で当たり前に使われている添加物たっぷりの食材の不自然さに気付いてしまって、「これは人にお出ししたくないな」と。それからベジタリアンの食事やマクロビオティックの学校に通って、教職資格の取得にまで至りました。自分自身も試しに菜食を続けてみたらとても体調が良くなった実感があったので、それ以来、自然に作られた安心安全な食材選びには妥協せずに向き合っています。

    MYで使っている野菜は、無農薬栽培を続けている長野県の農家さんから届けていただいています。「来月は何が採れそう?」と連絡をして、畑の様子に合わせてメニューを考えるというのがいつもの流れです。その時々で内容が変わるので大変ですけど、これが飲食店のあるべき形なのかなって。お酒のラインナップも自然とナチュラルワインやビールが増えていますが、大前提は、自分が飲んでみて「おいしい」と感じたもの。月に数回インポーター主催の試飲会に参加して仕入れを検討しています。個人的には、こっくりとした白ワインが一番好きです。

    水加減が炊き上がりを左右する

    新しいレシピを作る時やどうしても人手が必要な時以外は、今日のようにお店にいることは最近は少なくなりました。本当はお料理したいんですけどね。普段は朝6時頃に目が覚めて、仕事が捗る午前中のうちにメールをチェックしたり、お店のみんなからその日のオーダーや盛り付けの相談がきては返したり。気付けば顔も洗わずにそのまま作業してしまっていることもよくあります。午後は試飲会や打合せに出かけることが多いかな。水は毎朝起きてすぐ一杯と、お酒を飲んだ帰りにも必ず一杯飲むようにしています。

    MYではケータリング用の味噌汁を作ったりご飯を炊いたりと毎日たくさん水を使っているのですが、ご飯を炊く際に大切にしているのは、きちんと水の量をはかること。夏場はどうしても蛇口から出てくる水の温度がぬるくなりがちなので、できれば冷たい水を使えたらいいなという気持ちはあるのですが、例えば冷やすために氷を入れてしまうと水加減が変わって炊き上がりを左右してしまうので、あまり冒険できていなくて。MYではお米1合に対して水1カップ(180cc)を鍋に入れて一晩浸水させています。

    口当たりなめらかでおいしい

    トレビーノ®ブランチの浄水は、なめらかでおいしいお水だなと感じました。ブランドのことは昔から存じ上げていましたが、実際に東レ製品を使うのは今回が初めて。スタッフのみんなに比べると私はまだ操作に不慣れなのが正直なところなのですが、音が鳴って浄水の切り替えを知らせてくれるのは分かりやすくていいなと感じています。ゴミを出してしまうのでペットボトルのミネラルウォーターは考えておらず、これまでは工事業者さんからおすすめされた他社の浄水器を特に思い入れも無く使い続けていましたが、今回設置いただいたトレビーノ®ブランチは浄水と水道水の切り替えができるのがとても便利でいいですね。もし施工当時にトレビーノ®ブランチを知っていたら、迷わずこちらを選んでいただろうなと思います。

    建築家 山家 明

    Profile

    おにぎりと角打ち酒屋

    MY Eats&Drinks

    2023年4月に世田谷公園前にてオープン。おにぎりをメインに、手軽に食べられる惣菜やナチュラルワイン・クラフトビールを提供している。代表の米田さんはフリーのフードスタイリストとしてケータリングやレシピ提供、料理教室講師を軸に活動中。2002年渋谷でカフェ「Banda」をオープン。2015年には青山のレストラン「udo」の立ち上げに携わり、FIGARO誌TOKYO BEST RESTAURANT BEST10 お野菜部門に選出。2022年にお惣菜とナチュラルワインの店「kokiliko」をオープンした。

    https://www.instagram.com/my_eats_and_drinks/